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演題8 糖尿病の悪化の原因に大腸がんの存在があったと考えられる2例

令和5年度 杉並区医師会学術研究発表会(2024年2月17日)

2組 あべ内科消化器科クリニック 安部幸一

 

<はじめに>血糖上昇に疑問を持ち、精査を行ったところ大腸がんが発見された2例を連続して経験したため報告する。

<症例1>76歳、男性。高血圧症と心房細動で通院。糖尿病(-)であった。2023年5月頃から便秘の訴えがあり、血液検査で血糖およびHbA1cの上昇を認めた。同年6月29日に大腸内視鏡検査を施行、直腸(Rs)に半周性の腫瘍を認めた。基幹病院に紹介したが、心機能が不良で根治的な治療は不能であった。

<症例2>77歳、男性。高血圧症と2型糖尿病で通院。2022年6月頃から日常生活は変わらないものの血糖の上昇を認め、基幹病院で併診を依頼した。その後、右側腹部の痛みがあり精査したところ上行結腸がんが認められ、基幹病院で右結腸半切除術が施行された。

<考察>血糖上昇の原因として大腸がんの発生と進行が関係していた可能性が示唆された。

<結語>糖尿病の発生や悪化の要因に対して大腸がんを含めた消化器がんの精査が重要と考えられる

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